生粋左馬(有賀醸造)福島県


有賀醸造

福島県白河市。古くは白川の関が置かれ、みちのくの玄関口として栄えたこの街で、江戸末期・1774年より酒造りを営むのが有賀醸造。250年の歴史を誇るこの蔵で、杜氏・有賀裕二郎氏を中心としてこだわりの酒を醸しています。

有賀醸造の掲げる理念は「一生の粋な酔いを」。日常から特別な時間の中まで、人々の人生に寄り添い、愉しんでもらえる酒を醸すことを目指しています。

研究者から杜氏へ

杜氏・有賀裕二郎氏は、東北大学で生命科学研究科の博士課程に在籍し、免疫の研究に励んでいた最中、2011年、東日本大震災で被災されました。震災や原発事故を目の当たりにし、地元に対して自分にできることはないだろうか。家業である酒造りを通して人々に喜んでもらえることはあるだろうか。そのような想いから「いつ何の役に立つかわからない自分の興味本位の研究よりも、実家を手伝いたい」と決意されたそうです。

実家である蔵へ戻った後、福島県の清酒アカデミーで基礎を学び、蔵で試験醸造を繰り返しては、大学の研究者時代に培った実験手法やデータ分析の手法を活かしてデータ収集。地元の素材を使いつつ、よりハイレベルな作りを目指してアップデートしていきました。そうしてマッコリと地元向けの普通酒がメインだった有賀醸造に、新たな銘柄『生粋左馬』が誕生したのです。

有賀醸造

そこから2年。2014年に県内の鑑評会では初めての金賞を受賞。さらに2016年にはもうひとつの銘柄『陣屋』がSAKE COMPETITIONにてGOLDを獲得するなど、わずか4年間という短い期間に数々の賞を受賞し、一躍注目銘柄となりました。

そして有賀醸造が新たな体制となって10年目の2022年には全国新酒鑑評会で金賞を初受賞。
10年かけて少しずつ設備を整えていくにつれ、酒質も安定して向上してきました。機械に任せられるものは機械に任せて、人は人にしかできないことに集中したい。人の感性、人の手でしかできない部分をいっそう大切にして酒造りに挑みます。そう有賀さんは語ります。

100年後を見据えた酒造り

2024年、有賀醸造は創業250周年・会社創立100周年を迎えます。東日本大震災、コロナ禍を乗り越え、次のステージを目指す有賀醸造。

次の100年を見据え、有賀裕二郎氏は未来への想いをこう語っています。「常にベストを尽くした酒造りをし、次の世代へと受け継がれるように願っている」その想いは、目の前の酒造りへの真摯な取り組み方として現れているように思います。

まっすぐな想いと、研究者魂が生み出したハイレベルな味わいを心ゆくまでご堪能ください。

有賀醸造

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