魅力溢れる特別な亀の尾で描く
繊細で美しく複雑な味わい
日日 亀の尾 720ml
商品番号:13265
¥3,410(税込)
使用米 | 栃木県さくら市産「亀の尾」 |
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磨き | 非公開 |
特定名称酒など | 火入れ酒 |
度数 | 11度 |
魅力溢れる特別な亀の尾で描く
繊細で美しく複雑な味わい
京都府伏見にて酒を醸す日々醸造より、限定品『日日 亀の尾』のご紹介です。銘酒・仙禽で知られ、以前から日々醸造と親交の深い株式会社せんきんより譲り受けた、栃木県さくら市産の特別な亀の尾を使用。特有の個性を持つ古代品種・亀の尾の魅力を見事に表現した味わい深い一本をぜひお楽しみください。
香り
そっと漂うメロンのような甘み。穏やかな香りに優しい雰囲気を感じます。
味わい
伏見の名水を思わせる柔らかな口当たりと、日日ならではのきめ細やかなガス。亀の尾の複雑で幅のある旨味や美しい甘みが綺麗に広がっていき、奥から湧き上がる繊細な渋みや酸が味わいの輪郭を形成。それらが織り成す奥深く複雑な味覚を楽しめます。飲み込んだ後は軽やかなキレで収束。亀の尾の魅力と日日らしさが見事に両立された一本です。
日々醸造見学~新蔵を興すということ~
京都の桃山御陵前駅から歩いて10分程度、大手筋商店街を抜け、竹田街道を北上し、濠川を渡ったところに消炭色の真新しい建物が現れます。
こちらが日々醸造の仕込み蔵。「完成途上ではありますが、酒造りが始まる臨場感をご見学ください。」と、またとない機会に酒専門店鍵や様に随行させて頂きました。
「規模にしてもスピードにしても、少しずつやっていきます。」
創業者である蔵元の松本日出彦さんは謙虚にそうおっしゃいます。
約1年に及ぶ全国各地の蔵で酒造りの武者修行を行い、日々醸造を創業され、酒職人として京都の地に戻ってこられました。
【蔵元紹介】日々 醸造 京都府
古くから酒蔵の建ち並ぶ京都・伏見の地に新たに生まれた酒蔵がこの『日々醸造』。酒造りの名人と名高い松本日出彦氏を中心として少数精鋭での酒造りに挑みます。
新蔵と旧蔵
2つの酒蔵の役割
日々醸造には昔ながらの漆喰壁・木造造りの旧蔵と創業にあたり新たに建築された近代的な外観の新蔵があります。旧蔵は伏見にもともと存在した築150年ほどの酒蔵だった建物を購入、移設。中は広い空間で、非常に風情があり歴史を感じさせる佇まいとなっています。旧蔵では現在は醸造は行われていませんが、今後は様々なことをしていきたいとのこと。
新蔵は現在メインで酒造りを行う蔵で、京都府が指定する景観条例に合わせて非常にシックな見た目。外壁の素材はSDGsを考えたリサイクル素材で作られており、環境や酒造りを続けていく為の社会への配慮も見て取れます。中は非常に清潔に保たれていて、所狭しと酒造りに必要な機材が並んでいます。8基あるサーマルタンクは特注カラーで塗装されていて、汚れがすぐに分かるように考えられたカラーなんだとか。当たり前のことを大切にしている日々醸造らしさが伺える一面でもあります。取材当時、まだまだ蔵は生まれたばかりの状態。見る全てが真新しい状態の新蔵は、ここから酒造りが始まる、という何とも言えない雰囲気に満ちています。
『風土』へのこだわり
日々醸造は全ての酒を播州地区で契約栽培された山田錦で醸しています。酒米の王様としても名高い山田錦。その中でも播州地区で栽培されたものは特等、またそれ以上のものと言われるものが多く、非常に高品質なことで知られています。なぜこの場所で取れた山田錦に、また、なぜこの場所にこだわるのか。それには、松本日出彦氏の深い考えがあります。同氏は、日本酒は日本人の感情のようなもの、と考えているそうです。感情はさまざまな要素によって構成されていて、日本酒も同じように様々な要素からなります。中でも原料の主とも言えるものの一つ、米。育った土地の気候、水、まわりの環境、その土地の生き物、人間。様々な要素が詰まった一粒の実りは、まさしく風土の結晶と言えます。その『風土』のすべてが山田錦にとって最良と考えられる条件に整っているのが播州地区、なかでも東条地区が最良と考え、この土地の山田錦に他ならぬこだわりを持って使用しています。もちろん味も素晴らしいものですが、風土を大切にするからこその選択だと言えます。
また、京都・伏見の水も日々醸造の酒造りにおける大切なピースの一つです。桃山丘陵の地下深くを永い時間かけてくぐってきた清らかな伏見の湧水は、中硬水に分類される硬度で、ミネラルをバランスよく含んでいるためじっくりと長期間かけてもろみの発酵が進みます。その結果、柔らかな口当たりやまろやかで主張しすぎない旨みを持った酒が生まれます。京都という地の風土、こだわりの山田錦が持つ風土、それを合わせて生み出す日々醸造の酒は、どんなシーンにもマッチするシンプルながらもしっかりとした良さを感じさせるものとなっています。
酒造りという文化と向き合い、人、道具、原料、その土地。更には蔵の開設前に全国の銘醸蔵を巡って経験してきたこと。その全てを活かし、詰め込んだ酒を生み出す日々醸造。多くは語らず、ただただ真摯に酒造りと向き合うということで自分を示していく、そんな気兼ねすら感じる程に実直に酒造りを続ける名匠・松本日出彦氏が手掛ける酒の今後から目が離せません。