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日本酒を、もっと世界へ。
睡龍の蔵元が考える
日本酒の現在とは
「日本酒」の常識
商品番号:61158
¥1,760(税込)
著者 | 久保順平 |
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出版社 | 日本経済新聞出版 |
発行年月 | 2022年12月 |
ページ数 | 224ページ |
日本酒を、もっと世界へ。
睡龍の蔵元が考える
日本酒の現在とは
奈良の銘酒・睡龍の醸造元、久保順平氏による著書。
元大手銀行のファンドマネージャー、現蔵元という特殊な視点から見る、この時代の日本酒のリアルとは。造り、楽しみ方、文化、歴史…。様々な角度から、現代の日本酒を考えるエッセイ。
第1章:日本酒は外国人から、どう思われているのか
第2章:世界で造る「SAKE」は投資対象になるか
第3章:日本酒酒蔵には、なぜ老舗が多いのか
第4章:日本酒と日本の歴史・文化
第5章:日本酒造りと蔵元の話――熟成酒を中心に
第6章:蔵元が考える日本酒の愉しみ方
第7章:8つの酒蔵から日本酒の特徴を探る
【蔵元紹介】久保本家 酒造 奈良県
奈良県、桜井市と榛原町の南に位置する大宇陀町にある久保本家酒造。狭い道沿いに、家々が低い軒を並べています。この道沿いは伊勢街道、熊野街道に通じる交通の要所。この地で造り酒屋として三百年の時を重ねてきた酒蔵が久保本家酒造です。
久保本家酒造の始まりは、元禄十五年(1702年)久保家の先祖である久保官兵衛が吉野から大宇陀に移り、酒蔵を築いたことによります。大宇陀は水が豊かで、昼夜の気温差が激しく、よい米が取れるという土地柄で酒蔵を営むには良い土台でありました。
熟成を経て味わいの乗る
「生もと造り」はまさに、
眠れる龍が目を覚ます如く―
杜氏の加藤さんはもともと建築業界で働いていましたが、当時、主にワインを愛飲していたのですが、あるとき、薬缶に酒を入れて直接火にかけて温めた燗酒を飲まされたのがきっかけで、今までに飲んだことのない美味しさに、日本酒造りの虜のなってしまい転職したそうです。その頃に生もとの造りの旨さも知り、徐々に加藤杜氏の中で旨い日本酒の輪郭が明確になってきたそうです。平成16年の仕込みより、この生もと仕込みが本格的に取り組まれています。
生もとで造られたお酒は、酵母菌が極めて厳しい環境で育てられる為、弱い者は死に絶え、優れた者だけが生き残ることから、もろみ末期までその勢いが衰えず、完全発酵したお酒が出来上がります。このため、熟成して旨みが増し、キレがよくなり、しかもコクのある理想的なお酒に仕上がります。
加藤杜氏曰く―、
『生もと造りは本当に手がかかる。でも全ての作業には、全部意味があるんです。その一つひとつの作業を手抜きせずに重ねて、嘘のない酒造りをしなければ、旨い酒を飲むことが出来ない。それは、飲み手である自分たちが一番よく知っている。』つまり、手間と時間をかけ、思いをかけることで、微生物の力がより顕わになり、旨い酒が出来ると言うこと。米本来の旨みを出来るだけ残し本来の酒の味を味わってもらいたい。そんな蔵元の思いのこもったお酒を醸しています。
また、『生酒以外は常温で保管してほしい。』とのこと。熟成による味わいの変化がこの蔵の酒のもう一つの魅力です。