十石じっこく(松山酒造)京都府


松山酒造の酒蔵

京都府伏見区、濠川のほとりに蔵を構える松山酒造。2023年1月より新たに挑む銘柄が『十石』です。

銘柄名の由来は、かつて地元伏見の水運を担った十石舟にちなんだもの。京都の玄関口として栄えた伏見で、河川での交通・運送の要であった小型船、十石舟。人々の暮らしに馴染み、多くの人に親しみを持たれる銘柄でありたいという願いから名付けられました。

100年の歴史を持つこの蔵で、今新たな物語が始まります。

確かな技と選び抜いた素材
老舗が挑む新たなる物語

美しい返り咲きを見せた復活蔵

もともとは三重県名張市にて1923年に創業した松山酒造。1967年に現在の場所へと移転し、以降大手酒造会社・月桂冠グループの傘下として酒造りをしていました。

一時は5000石の生産量を誇りましたが年々醸造量を減らし、コロナ禍による需要低減や設備の老朽化といった理由から、2020BYで酒造りを休止。その後、約3年の休止・準備期間を経て2023年1月より銘柄『十石』の醸造元として再スタートしました。

松山酒造の酒蔵

歴史の息づく地・伏見

蔵が位置するのは数々の酒蔵が集う京都府・伏見の北西部。蔵の敷地前には薩摩島津伏見屋敷跡の石碑があります。この石碑に記される通り、この地には薩摩島津藩の藩邸が存在しました。

かつて江戸時代、13代将軍徳川家定の正妻であった島津斉彬の養女・天璋院篤姫が薩摩から江戸に向かう途中の逗留地として利用されたという記録が残っています。

さらに、かの有名な幕末志士・坂本龍馬が襲われた『寺田屋事件』の後、逃げ出した龍馬が様々な人の助けによって避難したのがこの薩摩島津藩邸でした。

今は石碑を残すばかりで屋敷の姿はありませんが、歴史の折り重なるこの地にて十石は醸されます。

松山酒造の酒蔵

古くも新しい蔵が醸すこだわりの地酒

『十石』はその原料全てを京都産の素材にこだわって醸されます。京都府産の酒米、古くから銘醸地として知られる地元・伏見の湧水。京都にあるもやし屋『菱六もやし』の種もやし(麹菌の元)、京都市産業技術研究所で開発された京都酵母。これらの素材と伝統の技が合わさり、どんな料理にも寄り添うような京都尽くしのお酒『十石』となって行くのです。

杜氏を務めるのは月桂冠酒造に長年在籍し、全国新酒鑑評会にて数々の金賞を獲得した経験もある高垣 幸男氏。月桂冠の経営陣から松山酒造の再建を直々に任されたほど、腕利きの造り手。京都市より伝統産業『未来の名匠』にも認定された匠を中核とし、こだわり抜いた京の地酒を醸します。

100年の歴史を持つ老舗企業が挑む新たなる挑戦。
日本酒のこれからを見据え、より良い酒造りを突き詰める松山酒造から目が離せません。

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