出汁・乾物を使った酒に合う料理3品
今回は、出汁と乾物を使った酒に合う料理レシピを、和食料理人岡田昌己さんにご紹介いただきました。一番だしは手間がかかるので自宅で作るのはなかなか機会がないと思いますが、一度チャレンジしてみては如何でしょうか。とっておきのお酒がさらに美味しく飲める為だと期待し、お試しいただければと思います。
千切り大根と〆鯖の割り酢和え
<材料>
- 塩鯖
- 千切り大根(切り干し大根)
- 付け合わせ(しめじ)
【割り酢】
- 出汁
- 米酢
- 薄口醤油
- みりん
- 花かつお
- ※和食の仕込み割合でのご紹介です。1杯は使用する玉杓子などで。
今回のレシピでは大さじで換算した()の分量でお試しください。
1.
鍋に花かつお以外の割り酢の材料を合わせ火にかけます。沸騰直前に花かつおを入れすぐ火を止めます。
2.
かつおが沈んだのち、ペーパータオルで漉します。
3.
塩鯖は塩を洗い流して水気を切ります。
次に腹骨と中骨を取り、米酢に鯖を漬けます(裏表20分)。市販の〆鯖を使用してもOKです。
4.
千切り大根はぬるま湯に20分程度浸し、戻します。
5.
鍋にお湯を沸かし、千切り大根を 3分ほど茹でます。
6.
千切り大根を水にさらし、水気を絞ります。
7.
〆鯖を食べやすい大きさに切ります。
8.
千切り大根・〆鯖・割り酢をボールに入れ少し冷蔵庫で寝かせます。
9.
器に盛り付けて完成です。
日本料理の仕込みでは、調味料を玉杓子6杯のように実際使う道具で計ります。効率よく仕事をするための工夫が受け継がれてきたものです。
この考え方には道元の「典座教訓」の教えを垣間見ることができます。禅寺の食事を作る僧は典座と呼ばれ、修業歴の長い僧が勤めます。食事は修行僧の心と命を整える大事な責務で、材料、道具、器を大切に扱い、心を込める姿勢が必要との事。日本料理でも、さまざまな技法や工夫が受け継がれ、それに従い心を込めて料理することで、食べる人を生かし喜ばせることができるのでしょう。
優しい酸味の出汁酢。臭みが抜け適度に脂が乗った〆鯖と、それらのうま味を吸い込んだ千切り大根の食感のコンビネーションは絶妙です。本醸造、生酛系純米酒、ハイボール、柔らかめの芋焼酎などがお薦めです。